錬菌術式食事法!食物繊維の種類と腸内細菌の関係
腸内フローラを育てるために欠かせない栄養素のひとつが「食物繊維」です。便通改善のイメージが強いですが、それだけではありません。食物繊維は腸内細菌のエサとなり、短鎖脂肪酸をつくり出す原料でもあります。錬菌術式食事法では、食物繊維を「腸を育てる主役」として位置づけています。本記事では、不溶性・水溶性・発酵性という3種類の食物繊維と腸内フローラの関係を解説します。
食物繊維の3つの種類
不溶性食物繊維
水に溶けにくく、腸の中で膨らみ、便のかさを増やしてぜん動運動を促します。腸内の通過をスムーズにし、老廃物の排出を助ける働きがあります。代表的な食品は野菜、ごぼう、豆類、きのこ類です。
水溶性食物繊維
水に溶けてゲル状になり、糖や脂質の吸収をゆるやかにします。さらに腸内細菌のエサになり、善玉菌を増やします。代表的な食品は海藻、果物、大麦、オクラなどです。
発酵性食物繊維
腸内細菌によって発酵されやすい食物繊維で、短鎖脂肪酸の産生を促進します。短鎖脂肪酸は腸粘膜を守り、免疫機能や代謝を整える重要な物質です。オリゴ糖、イヌリン、難消化性デンプンなどがこれにあたります。
腸内フローラと食物繊維の関係
腸内細菌は私たちが消化できない食物繊維を分解して栄養源としています。特に発酵性の食物繊維は、善玉菌が増える環境をつくり出します。そこで生まれる短鎖脂肪酸は、腸内のpHを弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えます。また、大腸のエネルギー源にもなり、腸の健康を直接支えています。
1日の目標摂取量と食材例
日本人の食物繊維摂取量は目標値を下回っているのが現状です。成人では1日18〜20g以上が推奨されていますが、実際は平均で14g程度しか摂れていません。以下のような組み合わせで不足分を補うことができます。
- 朝食:玄米+納豆+海藻の味噌汁
- 昼食:大麦入りご飯+野菜炒め+豆料理
- 夕食:魚+きのこスープ+サラダ(ごぼう・人参・葉物)
- 間食:果物やナッツ
錬菌術式まとめ
食物繊維は単なる便通改善のための栄養素ではなく、腸内フローラを整える「菌のごちそう」です。不溶性・水溶性・発酵性をバランスよく摂ることで、腸内細菌の多様性が高まり、短鎖脂肪酸の産生が増えます。錬菌術式食事法では、毎日の食事に多彩な食材を取り入れ、腸を育てる習慣を重視します。
次回は、一日のリズムに合わせた「朝食・昼食・夕食の腸活法」を紹介します。
